Mr_TSの考察

ビジネストレンド基礎知識

気になるビジネストレンドをピックアップし紹介するサイトです。

0から始めて独学最速でHSK6級を取得する方法

 

HSKとは

HSKというのは、漢語水平考試 の略であり、中国政府が認定する資格である。詳しくは公式ホームページがあるので、そちらを参照してほしい。

www.hskj.jp

ここでは、まったく中国語を勉強したことのない人が、勉強を1から始めて最速で効率よくHSKの最上級6級を取得できる方法を解説したいと思う。

 

読者のレベルの前提

通常の日本人は英語と異なり、生まれて一度も学校で語学として中国語を勉強したことはないと思う(大学で中国語を先行している人もいるだろうが、人口で見たら非常に少ないはずである。)なので、ここでは、本当にまったく中国語を勉強したことにない人念頭に置くことにする。なお、ここでは、HSK6級を取得するが目的であるため、中国語で会話ができるかどうかは、考慮しないものとする。

 

初学者の勉強

テキスト

では、始めよう。まず、突然HSK6級のテキストを買ってきて勉強を始めるのはナンセンスである。HSKは中国語の会話ができるかは関係ないといったが、まったく中国語の文法・単語などの知識がないままでは、HSKは解くことはできす、最低限の知識は入れておく必要があるからだ。では最初に、どのようなテキストを使って勉強したらいいだろうか。私が勧めるのは、「汉语会话301句(上・下)」、「汉语口语速成・入门篇(上・下)」である。ここで大事なのはCDも必ず購入することである。このテキストは、中国語を勉強している人にとっては非常に有名なテキストであり、最近ではこれに近いようなテキストが数多く出版されているが、まずはこの2種類のテキストのどちらかを使っておけば、間違いない。買うときは、日本語の説明付きのものを購入してほしい。アマゾンによると、出版社が「北京语言大学出版社」のものと「語文研究社」のものがあるようだ。中国では「北京语言大学出版社」が出版している第4版が最新の教材だが、第3版のものでも問題はない。大事なのはテキスト共にCDがきちんとついているかどうかである。なお、NHKの中国語ラジオ教材も非常にいい。しかし、量が多く、前記の「汉语会话301句(上・下)」、「汉语口语速成・入门篇(上・下)」に比べ、レベルが高い。そもそも一般的な会話をする場合にもNHKのテキストではTOO MUCHな印象がある。様々な意見があると思うが、最速でHSK6級を取るにはあまりお勧めできる教材とはいえないと考える。もし、上記の「汉语会话301句(上・下)」、「汉语口语速成・入门篇(上・下)」以外のテキストを使っても構わないが、あまりレベルが高くない、定評のある教材を使うべきである。

www.amazon.co.jp

www.amazon.co.jp

 テキストの使用方法

まず、ここまで来たら、テキストを進めてみよう。

 

どちらのテキストも最初の5講くらいは、発音や声調についての説明・練習となっている。通常、中国語では漢字がわかる日本人にとって一番強化する必要があるのが発音や声調であり、変な癖がつくとよくないという理由で、発音や声調にかなり時間をかけて勉強する(特に語学学校に通ったときにこのような言い方をされることがよくある)。私はこの考え方を否定するつもりはないが、最速でHSK6級を取りたい場合は、違う方法を取るべきである。すなわち、発音や声調をまったく勉強しないわけにはいかないが、大体わかればどんどん先に進めるべきだと思う。そもそも独学で中国語を勉強しているときに何の間違いもなく、発音や声調ができることなんてないし、どんなに勉強しても発音や声調が全く正確でない人も結構いる。今後、CDを使って何度も音読する練習をしていく(いわゆる「シャドウイング」)ので、あまり発音や声調を気にしすぎなくてもよいと思う。

 

発音や声調の内容が終わると、テキストでは、各講ごとに単語、課文、課文の中に使われる文法の説明などが続く。単語については、意味と発音を少し確認しながら進めればよいと思う。この段階で単語を完全に覚えてしまうようなことはするべきではない。テキストの最初のほうは日本語と一緒の単語が多く覚えられるが、課が進むにつれて日本語の漢字と異なる単語が出てくるようになると覚えられなくなってくるので、勉強が嫌になってくる。テキストを継続して勉強しなくなるのは、語学では非常によくない。なので、単語については、一度見て、意味を確認して、CDで一度発音を確認するくらいで先に進んで構わない。課文についても読みながら意味を確認していこう。そして、課文の後ろについている重要文法事項の説明を読んで理解しよう。その後、その文法事項を含む課文中の分にラインマーカーなどを引いておこう。

 

テキストの重要部分

ここまで終わったら、その日のうちにCDを聞きながら、10回音読をしてみよう。音読にはレベルがある。最初は、①テキストを見ながら一文ずつ聞いて止めて発音をするという形になるだろう。最初のうちは意味を考える余裕もなく、ただテキストの漢字ではなく、ピンインを追いながらただ読むという形になるだろう。でも、あまり気にしてなくていい。ほとんどのひとはそこからスタートなのだ。大事なのはとにかく繰り返すことだ。①ができたら、②一文ずつ止めてCDを聞いていたをCDを止めずに発音をすることにトライしてみよう。それと同時に、テキストの課文はピンインではなく漢字を見るようにし発音・声調は音からまねる練習に変えてみよう。また、課文を読みながら意味をきちんと考えるようにしてみよう。また、課文の重要文法事項を含む一文を読んでいるときに「この文章はこの文法が含まれている。」と説明できるようにしよう。最後は③テキストを見なくてもCDだけ聞いて発音し意味がわかるできるようにしよう。ここまでできたら、最後④1.5倍速~2倍速のスピードで③の音読ができる状態までもっていこう。おそらくここまでの状態に持っていくのは、①→②→③→④と音読のレベル上げていくことを意識しながら、100回くらい音読をする必要がある。だが、ほとんどの学習者は③と④のレベルまで上げることができずに脱落していく人が多い。正確な言い方をすると、脱落するというより、①,②のレベルまで行くと自分はできると思ってしまい、現在のテキストの使用をやめ、よりレベルの高いテキストに移ろうとする傾向が強い。①,②ができていれば、リーディングは問題なくできる。しかし、HSKは、4技能を意識した試験であり、リーディング以外の配点も高く、リスニングやライティングができるためには、難しい文章ではなく、簡単な文章をより高いところまで修練するする必要がある。なので、③、④ができるまで、音読(=シャドウイング)はやめるべきではない。

 

このシャドウイングは、例えば第5課の勉強が終わったら、一気にその第5課の課文を100回読んで④までのレベルまでもっていけというつもりはない。先に進みながら、少しずつ前の部分を復習をするという形でもいい。ただし、一度勉強してから完全に忘れるまで復習をしないということは極力避けるべきだろう。もし、復習した時、内容を忘れているようであれば、軽く課文を訳し、課文中の重要文法を確認してから、音読を行えばよいと思う。よく「エビングハウス忘却曲線」という理論を用い、最適な復習タイミングを考えることがあるが、あまり正確にやろうとしなくても大丈夫である。それより、毎日とにかく最低1課文くらいを10~20回音読をすることが重要である。各課分100回くらい音読し、①~④が実践できているところまでいけば、ほぼ基礎は完成である。

 

中級者の勉強

次に、本格的なHSKの勉強に移る。HSKは漢字が使える日本人にとってはそこまで難しくない。いきなり6級から勉強するのは非常に大変だが、高校生以上であれば、上記のテキスト終了後はHSK4級の問題集から問題演習に入ってもいいのではないかと思う。なお、中学生以下だとHSK3級以下から始めればいいという意味ではない。HSKはどちらかというと、リーディングでは抽象的な話や小難しい話でアカデミックな内容も結構出題される。特にほとんどの中学生以下の方は現代文的な能力が不安であることが多いため、なかなか点に結びつかないこともあると思われる。なので、中学生以下の人もHSKのより低いレベルから勉強するのではなく、もっと同学年の子よりネットや本やテレビで視野を広げたり、自分より年上の人と議論をしたりする練習をしたほうが、将来的にHSKを勉強した時に一気に点を伸ばすことができると思う。そもそも小さいときにHSK6級を取得する必要性は低い。なお、上記の「汉语会话301句(上・下)」、「汉语口语速成・入门篇(上・下)」を使って勉強するのは誰でもできるので、中学生以下の方でも中国語に興味のある人は挑戦してみてほしい。

 

テキスト

では、HSK4級からどのように勉強をしていったらよいか開設する。使うべき問題集は、新漢語水平考試模擬試題集4級・5級・6級(北京語言大学出版社)である。この問題集は、日本では 「北京語言大学出版社版『新HSK10回合格模試 4・5・6級』 (マルチリンガルライブラリー)」(スリーエーネットワーク) という名前で出版されているようだ。難易度的には、本番より何度は低めである。もしここで合格点が取れてしまったとしても「楽勝じゃん!!」とは思わず、引き続き勉強を続けてほしい。また、おそらくこの段階でたとえ4級であったとしても合格点が取れていない人が結構いるはずだ。今までの勉強では「汉语会话301句(上・下)」、「汉语口语速成・入门篇(上・下)」のテキストを使ってインプットのみをしてきて、それをアウトプットする力をつけていないからだ。今後は、このHSK問題集を使い、今までの知識をテストで使えるものに変化させていく必要がある。では、どのようにこの問題集を使っていくべきか。私はTOEICの勉強で考案されている「3回チャレンジ法」に基づいて解いていくべきだと思う。なぜなら、HSKの問題はTOEICと同様に非常に時間制限が厳しい。もし、本番と同様に時間を図り問題を解いたとしても、おそらく何問も適当にマークした問題があるはずだ。しかし、最速でHSK6級を取ろうとした場合は、そんなに時間があるわけではないので、1問1問のエッセンスをきちんと自分の血肉にしたほうが効率がいいと思う。そこで、HSKの問題集を使うときは3回チャレンジ法を取ることをお勧めする。

 

テキストの使用方法

3回チャレンジ法とは、以下の方法で3回問題を解くやり方である。

1回目 試験時間を図って解く。

2回目 1回目を解き終えた後回答は見ずに、解いたすべての問題を時間を気にせず辞書などは利用せずに気のすむまで考えて解きなおす。もし、一回目で回答したものと2回目でよく考えて解いた答えが違った場合は、答えを書き直す(1回目で回答した回答と1回目で回答した回答が違っていることがわかるようなマークシートやメモ書きを意識するべき)。2回目まで考えてもわからない問題には?マークなどのチェックを入れて置く。ここまで終わったら、初めて回答を見ながら採点をする。2回目までの回答で正解できたものは解説なども見ないで終わり。2回目までの回答でよくわからなかったものがある場合は、解説を納得できるまで読み込む。

3回目 時間を図って最初から解きなおす。

 

上記の3回チャレンジ法は非常にいいやり方であるが、私はより最速でHSK6級を取るためにより時間を短縮するやり方を提案する。すなわち、以下のやり方がよい。

1回目 試験時間を図って解く。
2回目 1回目を解き終えた後回答は見ずに、解いたすべての問題を時間を気にせず辞書などは利用せずに気のすむまで考えて解きなおす。もし、一回目で回答したものと2回目でよく考えて解いた答えが違った場合は、答えを書き直す(1回目で回答した回答と1回目で回答した回答が違っていることがわかるようなマークシートやメモ書きを意識するべき)。2回目まで考えてもわからない問題には?マークなどのチェックを入れて置く。ここまで終わったら、初めて回答を見ながら採点をする。2回目までの回答で正解できたものは解説なども見ないで終わり。2回目までの回答でよくわからなかったものがある場合は、解説を納得できるまで読み込む。

時間の許す限り、同様の問題を1回目、2回目のやり方に従い解き続ける。

便宜上これを「2回チャレンジ法」と呼ぶことにする。

 

このブログのタイトルにもある通り、あくまで目標はHSK4級、5級を取ることではなく、HSK6級を取ることであり、問題の傾向が6級と大きく異なる4級、5級の問題を何度も解く必要性は低いと思う(HSK4級、5級を受けるのであれば別だがHSK6級を取るのに必ず必要とは思えない。)。そこで、HSK4級、5級の問題集を解くときには、2回チャレンジ法も使う必要なく、最初から2回チャレンジ法の2回目の解き方で解けばいいと思う。そして、間違った問題、自信のない問題にチェックを入れておいて、その問題のみ2,3回と解きなおせばよい。なお、HSK4級の問題を解き始める段階では、おそらく時間さえかければ、読み取りの問題は6割くらいは正解を導くことができる状態、作文は何となくできそうと思える状態、リスニングは何回か聞き取れるものもあるがわからないものを多いという状態にあると思う。なので、2回チャレンジ法の2回目の解き方をやってみると、リーディングは結構解けるので問題解くためのの部分というよりは文章題のこの1文、この単語はどう意味なのかが分からないから確認する観点で解答・解説を見ることが多くなるのではないかと思う。作文では、自信のない漢字・単語や文章構造を確認するのに解答・解説を見ることが多くなるだろう。リスニングについては、この発は漢字ではどの音のことを言っているだろうかということを確認するために解答・解説を見ることが多くなるだろう。人によっては、1回目に解いたときに、上記のような解答・解説の見方はできず、自分の答えが当たったか間違ったかを中心に見てしまう人もいる。この人は、解いた問題が自分のレベルより高いからこのようなことが起こってしまったのだと思う。ただ、あまり気にすることはない。この問題集は10回分の問題が含まれており、難易度もすべて同じ難易度で作られているわけではないし、自分のレベルに合ってないとしても、2,3回解きなおしているうちに、7,8割はとることができるようになってくる。一度見た問題だから取れて当たり前だと思うかもしれないが、慌てず2回チャレンジ法の2回目の解き方をすでに実践していれば、知識もきちんと身についていくのであまり心配をしなくてもいい。

 

HSKの勉強で注意すべき点

なお、HSKの勉強をしていると単語帳で単語を覚えていくべきかとか問題集でできた単語を単語カードにして覚えるべきではないかと不安になることがあるが、少なくともHSK4,5級の勉強をしているうちは、いらないと思う。そもそも日本人にとって漢字は意味を知っているものが多く、単語と意味を一致させる必要性があまり高くない。日本人は漢字・発音・意味のうち、発音と意味を一致させる練習が重要であるが、これは2回チャレンジ法でリスニングの勉強をしていれば自然と身につくものであるからである。ちなみに、HSKでは重要単語が設定されておりHSK6級は5000語必要だと公式発表されている。これだけ聞くと非常に難易度が高いと思ってしまうが、私がHSK6級に受かった時は最後は5000語の単語を何回か覚えなおしたが、結局半分くらいは覚えきれなかった。特に成語と呼ばれる日本でいう四字熟語のようなものは何十個も覚えろとなっているが、はっきり言って無理である。また、単語も半分は覚えたと言ったが、記憶のレベルはまちまちで読めばわかるものが半分くらいで、作文で使えたり、リスニングで瞬時に漢字と意味が分かる状態なんて無理である。私がHSKを勉強していたころは日本語で書かれた単語集はなく、あったらいいなと思っていた。そして、最近きちんとした単語集は出ているが、今思うのは結局多すぎて覚えられない。覚えても解ける問題の量を考慮すると、費用対効果は非常に低い。私はそんなに覚えなくても問題演習をきちんと積んで、核となる知識をきちんと覚えれば問題は解けると思う。単語集を追加するのは、HSK6級の演習を死ぬほどやったのにどうしても5割5分しか解けない場合などに限定するべきだと思う。

 

HSK4級、5級の問題集を2回チャレンジ法の2回目の解き方をし、7,8割取れるようになったら、HSK6級の上記の問題集を2回チャレンジ法で解いてほしい。おそらくHSK6級のレベルは5級に比べて非常に高いの印象を受けると思う。ただ、本番はもっと難しい。まずは、この問題集をやった後、自信を喪失しないでほしい。誰でも最初にHSK6級をやった時は、泣きそうになるものだ。その後に「中国語検定HSK公式過去問集6級 2018年度版 (日本語) 単行本(ソフトカバー)」をやってみてほしい。もっと落ち込むかもしれないが、最初はそんなもんだと開き直れる人が合格に近づくと思う。

www.amazon.co.jp