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ウェブマーケティングの基礎知識

インターネット取引の拡大とともに注目されてきたウェブマーケティングについてまとめました。

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ウェブマーケティングとは

ウェブマーケティング」とは、オンラインショップなどのウェブサイト、ウェブサービスにより多くの消費者を"集客"し、サイト上に掲載された商品・サービスなどの購入を促すための活動のことをいいます。

 

 

ウェブマーケティングの重要性

インターネット市場における取引市場は年々拡大しています。
そして、インターネットを通して顧客との関係を広げてきたオンラインショップなどでは、その規模に関係なく売上を伸ばしています。つまり、インターネット上で企業と顧客がより密接に関係を築くことが、企業が利益を上げていくために重要です。
しかし、ネットショッピングが普及すればするほど、オンラインショップ同士の競争も熾烈になります。氾濫するウェブ広告の中から、いかに自社の広告を見つけ出してもらい、集客に結び付ける、また、いかにウェブサイトの中に長くとどまってもらい、回遊を促して「欲しい商品・サービス」にたどり着いてもらうためにウェブマーケティングの重要性は、年々高まっています。

 

 

ウェブマーケティングのメリット

ウェブマーケティングには通常のマーケティングに比べ以下の点でメリットがあります。

 

スピード

従来のマス広告(雑誌・広告)を活用したマーケティングに比べ、施策に必要なリードタイムが圧倒的に短いです。また、ウェブサイトなどは容易にかつ早く更新・改善することができます。

 

費用が安い

ウェブマーケティングは、費用が安くて済みます。予算の少ない企業でも、効果のでやすい施策から始めることができます。

 

パーソナライゼーション/セグメンテーション

顧客の属性(パーソナルデータ/セグメント)に応じた広告展開が可能です。マス広告と異なり、ウェブでは広告のターゲットを細かく指定し、ターゲットの属性ごとに広告内容を変えることができます。

 

定量

施策の結果を全て数値で管理でき、ウェブ広告なら表示回数やクリック回数、ECサイトへの流入数など、各施策が持つ指標について数値で結果を把握できます。効果測定が行えることで、次回以降に行う施策の改善につなげられます。

商品・サービスの認知も、ウェブ広告やウェブコンテンツ、SNSを通して行われる機会が増え、類似商品との比較検討や、実際に商品・サービスを利用した人からの口コミをウェブで閲覧して購入の判断が行われるようになりました。最終的な購買もECサイトで行われることが増えました。このようにウェブの活用によりより大きな購買を取り込むことができます。

 

 

具体的施策

ウェブマーケティングの具体的な施策は時系列事ごとに「集客施策」→「接客(販売)施策」→「再訪促進施策」の3つの段階に分けられ、それぞれの段階に合った手法で施策を行います。

 

集客施策

ウェブサイトにユーザを集める段階での集客施策は以下のようなものがあります。

 

SEO

SEO」(Search Engine Optimization(検索エンジン最適化))とは、検索エンジンにより上位に自社サイトが掲載されるようコンテンツを最適化することです。

検索サイトで上位に表示されれば、それだけ自社のウェブサイトがユーザーの目に留まりやすくなり、アクセス数もアアップすることができます。

 

メリットは以下のようなものがあります。

  • 社内のリソースを使って無料で取り組める。

  • ウェブ広告よりもクリック率が高い。

  • アクセスが安定しやすい。

デメリットは以下のようなものがあります。

  • 効果が出るまでに時間がかかる。

  • 手間がかかる。

 

リスティング広告

リスティング広告」とは検索連動型広告のことで、ユーザーが検索したキーワードや閲覧しているウェブページに連動した広告が表示されるものです。

SEOの効果が出るまでの期間、短期的に一定数のアクセスを集めるために最小限でリスティング広告を活用すると良いでしょう。

メリットは以下のようなものがあります。

  • 即効性がある。
  • ターゲットをピンポントに狙える。
デメリットは以下のようなものがあります。
  • 費用がかかる。
  • ユーザーに「広告」だと認識されるため、クリックしてもらいにくい。

 

アフィリエイト広告

アフィリエイト広告」とは、ウェブサイトやブログ、メールマガジンなどにリンクを掲載し、そのリンクから訪れたユーザーのコンバージョン*1により報酬が発生するタイプの広告のことです。 ほかのウェブ広告のようにユーザーが見た段階では広告料が発生せず、コンバージョン(資料請求、サンプル請求など)されて初めて広告料が発生するという点が大きな特徴です。

BtoC向きの広告手法で、特に会員登録や資料請求、ECサイトからの購入を促す際の利用がマッチします。

アフィリエイト広告を出稿する際は、基本的にASPというサービスを利用することになり、ASPの利用料は固定費で毎月かかってきますが、ASPを通してアフィリエイター*2に選ばれず掲載すらされないリスクがあります。



メリットは以下のようなものがあります。

  • コンバージョンするまで広告費が発生しないため、費用を低く抑えられる。
 
デメリットは以下のようなものがあります。
  • 月額固定費(ASP利用料)がかかる。
  • アフィリエイターに選ばれないと掲載すらされない。
  • アフィリエイターが不正表示や誇大広告をしていないかチェックする必要がある。

 

アドネットワーク広告

「アドネットワーク広告」とは、複数の広告媒体を集めた広告配信ネットワークにより、複数のWebサイトで同時に広告配信する広告手法です。

通常、複数の媒体へ広告を出すには、それぞれの媒体と個別の契約を行う必要があり、さらに出稿形式も各媒体によって仕様が異なり、料金形態もバラバラです。アドネットワーク広告を利用すれば、これらをアドネットワーク業者に一括で任せられ、異なる媒体の広告効果(結果)データを同形式で受け取ることができます。

メリットは以下のようなものがあります。

  • 1社との契約で複数メディアに同時に広告を配信できる。

 

 
デメリットは以下のようなものがあります。

 

  • アドネットワーク業者の持つ媒体に一様に掲載されるため、ターゲットが異なる媒体にも出稿され、ムダが生じる。

 

SNS広告

SNS広告」とは、LINEやTwitterFacebookなどのSNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)に広告を出稿するものです。

ユーザーは、SNSの利用に際してプロフィールを登録するため、その情報にもとづいてターゲティングして出稿できます。また、ユーザーによる拡散も狙えます。

メリットは以下のようなものがあります。

  • 広告費が比較的安価である。
  • ユーザーの拡散効果が見込める。

デメリットは以下のようなものがあります。

  • 日本ではSNSの利用者層が比較的若いため、中高年向けの商品・サービスでは出稿しづらい。

 

リターゲティング広告

リターゲティング広告」とは、あるウェブページで表示した広告を、同じユーザーが訪れた別のウェブページでも表示することです。閲覧者の認知度と訴求力を高める手法です。

特に、BtoBの商品・サービスの場合、一度、Webサイトに訪れてその場ですぐに購入するということはあまり考えられませんので、何度もサイトに足を運ばせてそのサイトの信頼度を上げることが重要になります。



メリットは以下のようなものがあります。

  • 興味のあるユーザーに何度もWebサイトを訪れてもらうきっかけになる。
  • コンバージョンしなかったユーザーを追いかけられる。

 

デメリットは以下のようなものがあります。

  • ユーザーがしつこいと感じ、逆効果になる可能性がある
  • 一度、訪問したことがあるユーザーにしか広告を見せられない 

 

接客(販売)施策

Webサイト上で、ユーザに特定のアクション(購買・資料請求・問い合わせなど)をしてもらうための施策です。また、アクションを起こさせるためにユーザを知るための施策です。これらの接客(販売)施策は以下のようなものがあります。

 

メールマーケティング

メールマーケティング」とは、文字通り、メールを用いたマーケティング手法で、メールマガジンなどがあります。

メールマガジンの本質は、最終的なゴール(購入などのコンバージョン)から逆算して、お客様にどんな情報を与えれば行動してくれるか?を戦略的に考えて配信していくことです。

メリットは以下のようなものがあります。

  • 低コストでスタートできる。
  • 高いROIが期待できる。
デメリットは以下のようなものがあります。
  • 見込顧客のメールアドレスを取得しなければ施策が行えない。
  • 即効性が出にくく、長期的な運用が必要になる。
  • 配信スケジュールの作成など、手間ヒマがかかる。

 

LPO

LPO」(Landing Page Optimization/ランディングページ最適化)とは、リスティング広告などウェブ広告からの流入先=ランディングページでコンバージョンさせるために、訪れたページにユーザーの興味をひきつけ、離脱させないようにページを改善する施策をいいます。

ランディングページにおけるコンバージョンでよくあるのが、見積請求、サンプル請求、購入です。ランディングページは、ユーザーがコンバージョンするために十分な情報を簡潔にまとめる必要があります。具体的には、たとえば以下のような要素が必要です。 

  • メインビジュアル、キャッチコピー
  • ユーザーの共感を呼ぶような問題定義メッセージ
  • その解決方法としての商品・サービスの提示
  • 商品・サービスの特長や強みの訴求
  • 信頼性の訴求(実績・お客様の声・データの裏付けなど)
  • 特典の紹介(割引、無料お試し、プレゼントなど)
  • CTAボタン(お申し込み、資料請求など)
EFO

EFO」(Entry Form Optimization(入力フォーム最適化))とは、ユーザーがストレスを感じずに入力項目を最後まで入力してフォーム送信しやすくする施策のことです。

多くのウェブサイトでは、コンバージョンとして「お問い合わせ」を設定することが多いかと思いますので、フォームを改善するだけで、コンバージョン率をグッと上げることができます。 例えば、入力項目を減らしたりプルダウンやチェックボックスで選択させるなど入力の手間を省いてあげることなどが考えられます。

 

再訪促進施策

一度Webサイトへ来たユーザに、もう一度来てもらったり、ユーザとの関係を保ったりするための再訪促進施策は以下のようなものがあります。


ソーシャルメディア対策

Webマーケティングにおいて企業がソーシャルメディアの活用法として考えることは2つあります。一つはSNS広告への出稿、もう一つが企業アカウントの運用です。

主要なSNSとして、Facebookフェイスブック)、Twitterツイッター)、Instagram(インスタグラム)、LINE(ライン)などがありますが、それぞれ、ユーザー傾向やSNS機能の特徴が異なり、自社の商品・サービスとマッチするSNSを選ぶことが大切です。たとえば、Facebookは実名登録が多く、日本の場合、ユーザーの年齢層も30~50代が多いことからBtoBの商品・サービスのプロモーションに向いているといわれています。

 

 

ウェブマーケティングに有効なツール 

上記のウェブマーケティングの具体的な施策を行うために以下のような有効なツールがあります。

CMS

CMSContents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム))とは、HTMLの知識がなくても簡単にWebページを作成・公開したり、更新できるツールのことを指します。

新製品情報やキャンペーン情報などのタイムリーな情報を発信したり、アクセス解析結果をフィードバックしてWebサイトを改善する業務の負担を軽くしてくれます。

 

マーケティングオートメーション(MA)ツール

マーケティングオートメーション(MA)ツール」とは、「見込み客」の1人ひとりに対し、それぞれの検討段階に応じて必要な情報を提供し、購買ステップまで育成し「顧客」になってもらうことなどのマーケティングプロセスを自動化するするものです。

例えば、3か月で消費してしまう化粧品をAさんが購入したとして、購入した2か月半後に自動でAさんに同内容の商品aと、その商品aと同時によく購入される商品bを自動でメールでおすすめすることなどができます。

 

アクセス解析ツール

アクセス解析ツール」とは、コーポレートサイト、商品・サービスの個別サイト、ECサイト、オウンドメディアなど、自社が持つウェブサイトへのユーザーのアクセス状況に関する分析を行うためのツールです。有名なのは「Google Analytics(グーグル・アナリティクス」です。

どのくらいのアクセス数があるかだけでなく、Webサイトを訪れたユーザーがどのような行動をとっているかまでアクセス解析ツールを使って把握し、コンバージョン数(率)アップにつなげるためにWebサイト改善策を練っていきます。

 

ABテストツール

ABテスト」とは、おもにランディングページの改善施策(LPO)として用いられるマーケティング手法で、ほぼ同じデザインのコンテンツの一部(画像やキャッチコピー、ボタンの大きさ、カラーリングなど)を変えた2つのうちどちらがよりユーザーの行動を促すかを比較することです。お金をかけずにコンバージョンを向上させることができます。

上記で紹介したGoogle AnalyticsにもABテストの効果測定ができる機能(ウェブテスト)があり、無料で2つのWebページを比較するABテストが行えます。

 

*1:ユーザーがホームページの目標としているアクションを起こしてくれた状態。例えば、ユーザーが商品・サービスを購入してくれた状態

*2:アフィリエイト広告(成果報酬型のインターネット広告)を自分のサイトやブログ、SNSなどで紹介し、そこから商品が売れたときに支払われる成果報酬を広告主から得ている人のこと